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昭和文学の一つの頂点 三島由紀夫

更新日:2022年1月23日



NHKのテレビ番組「100分で名著」で『金閣寺』が取り上げられたこともありますが、もともと人気があった三島由紀夫の勢いが止まりません。

小さなコーナーなので、随時こちらの商品構成は変わります。





代表作ベスト3


昭和文学だけでなく、国際評価も高い三島を代表する作品『金閣寺』

「美は…美的なものはもう僕にとっては怨敵なんだ」。吃音と醜い外貌に悩む学僧・溝口にとって、金閣は世界を超脱した美そのものだった。ならばなぜ、彼は憧れを焼いたのか?現実の金閣放火事件に材を取り、31歳の三島が自らの内面全てを託した不朽の名作。血と炎のイメージで描く“現象の否定とイデアの肯定”―三島文学を貫く最大の原理がここにある。金閣を焼かなければならぬ。破滅に至る青年の「告白」。最も読まれている三島作品。国際的評価も高い。映画・舞台化多数。



『仮面の告白』 女に魅力を感じず、血に塗れた死を憧憬しつつ自らの性的指向に煩悶する少年「私」。軍靴の響き高まるなか、級友の妹と出会い、愛され、幸福らしきものに酔うが、彼女と唇を重ねたその瞬間「私には凡てがわかった。一刻も早く逃げなければならぬ」―。少年が到達した驚異の境地とは?自らを断頭台にかけた、典雅にしてスキャンダラスな性的自伝。詳細な注解付。“この告白によって、私は自らを死刑に処す―”初の書き下ろし長編。のちのすべてが包含された代表作。



独立した4部の話が、思わぬ脈略でつながる三島晩年を代表する長編『豊饒の海』4部作。

第一巻 『春の雪』

ともに華族に生まれた松枝清顕と綾倉聡子。互いに惹かれ合うが、自尊心の強さから清顕が聡子を遠ざけると、聡子は皇族との婚約を受け入れてしまう。若い二人の前に、燃えるような禁忌の道が拓かれ、度重なる密会の果て、ついに恐れていた事態を招来する―。三島が己れのすべてを賭し、典雅なる宿命世界を描き尽くしたライフワークの第1巻。

第二巻 『奔馬』

親友・松枝清顕を看取った本多繁邦の前に、清顕と同じく脇腹に三つの黒子をもつ青年・飯沼勲が現れる。腐敗した政財界と疲弊した社会を変えんと志す勲は、右翼塾を主宰する父や塾生、恋人や財界重鎮らに翻弄され孤独を深めていく。本多の見守るなか、純粋さを求める青年は、たった一人の叛乱へひた走るのだった――。

第三巻 『暁の寺』

自分は日本人の生れ変りです――。タイの姫君は本多繁邦にそう訴え、松枝清顕と飯沼勲に関する質問にも正確に答えた。続くベナレスの旅で本多は輪廻の実相を目撃し、白い聖牛の厳かな顔に慄然とする。脳裏に甦るのは清顕の「あの言葉」。戦後、姫と再会した本多はその肌に転生の印を見究めんとするのだが……。認識と神秘の相克が招く圧巻の結末。

第四巻 『天人五衰』

妻を亡くした老残の本多繁邦は、十六歳の安永透と出会う。透の脇腹には三つの黒子が昴の星のように並んでいた。転生の印なのか。本多は、彼を養子に迎え緻密な教育を始めるが……。仮借なき破局、終末の翳りが本多を襲う。松枝清顕に縁深い月修寺を訪れる本多だが、そこで語られる言葉と目にした光景は全てを容赦なく打ち砕くものだった。『豊饒の海』完結編。









三島が初の小説「酸模」を書いたのは、日中戦争が本格化していく1938年、13歳の時。本書は、以降時代の流れにそって各年代から9篇を精選した。二十代の作品からは奇癖をもつ女を描く「手長姫」や、兄妹の異様な短篇「家族合せ」、虚ろな日本人の姿を切り取った「S・O・S」、三十代は技巧冴える「魔法瓶」、怪談「切符」、四十代の問題作「英霊の声」など。などてすめろぎは人間となりたまひし。「英霊の声」は、〈天皇と日本〉を根本から問う永遠の問題作。

N君は、三島作品のなかでは、これこが一番衝撃的であったと言います。「英霊の声」 二・二六事件と頂点にして三島の自決によって終了した史観が見えてきます。



前橋のKさんは、「わが友ヒットラー」こそが一番だと言います。

獄に繋がれたサド侯爵を待ちつづけ、庇いつづけて老いた貞淑な妻ルネを突然離婚に駆りたてたものは何か?-悪徳の名を負うて天国の裏階段をのぼったサド侯爵を六人の女性に語らせ、人間性にひそむ不可思議な謎を描いた『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)。独裁政権誕生前夜の運命的な数日間を再現し、狂気と権力の構造を浮き彫りにした『わが友ヒットラー』。三島戯曲の代表作二編を収める。







『命売ります』

目覚めたのは病院だった、まだ生きていた。必要とも思えない命、これを売ろうと新聞広告に出したところ…。危険な目にあううちに、ふいに恐怖の念におそわれた。死にたくない―。三島の考える命とは。


『肉体の学校』

裕福で自由な生活を謳歌している三人の離婚成金。映画や服飾の批評家、レストランのオーナー、ブティックの経営者と、それぞれ仕事もこなしつつ、月に一回の例会“年増園”の話題はもっぱら男の品定め。そのうち一人元貴族の妙子がニヒルで美形のゲイ・ボーイに心底惚れこんだ…。三島由紀夫の女性観、恋愛観そして恋のかけひきとは?


『新恋愛講座』

恋愛とは何ぞや。西洋との比較から、具体的な技巧まで懇切丁寧に説く「新恋愛講座」、“結婚のおわり”“童貞のおわり”など様々なおわりについて、考察した「おわりの美学」と「若きサムライのために」の三本を収める。


「レター教室」

職業も年齢も異なる5人の登場人物が繰りひろげるさまざまな出来事をすべて手紙形式で表現した異色小説。恋したりフラレたり、金を借りたり断わられたり、あざけり合ったり、憎み合ったりと、もつれた糸がこんがらかって…。山本容子のオシヤレな挿画を添えて、手紙を書くのが苦手なあなたに贈る枠な文例集。 登場人物紹介 古風なラブ・レター 有名人へのファン・レター 肉体的な愛の申し込み 借金の申し込み 処女でないことを打ちあける手紙 同性への愛の告白 愛を裏切った男への脅迫状 出産の通知 招待を断わる手紙 結婚申し込みの手紙 恋敵を中傷する手紙 心中を誘う手紙 旅先からの手紙 年賀状の中へ不吉な手紙 英文の手紙を書くコツ 真相をあばく探偵の手紙 探偵解決編の手紙 身の上相談の手紙 病人へのお身舞い状 妊娠を知らせる手紙 妊娠を知った男の愛の手紙 陰謀を打ち明ける手紙 余計なお世話をやいた手紙 裏切られた女の激怒の手紙 閑な人の閑な手紙 結婚と新婚を告げる手紙 すべてをあきらめた女の手紙 家庭のゴタゴタをこぼす手紙 離婚騒動をめぐる手紙 悪男悪女の仲なおりの手紙 作者から読者への手紙           (以上 筑摩書房ホームページ解説より)




三島の交友は幅広く、興味関心を持った領域も多岐にわたる。 昭和という時代を知る上でも三島の存在は欠かせないものです。


東大在学中の三島由紀夫は、処女小説集『花ざかりの森』を川端康成に送り、昭和20年3月8日付の川端の礼状をもって、二人の親交が始まった。文学的野心を率直に認(したた)めてきた三島は、川端のノーベル賞受賞を機に文面も儀礼的になり、昭和45年、衝撃的な自決の4ヶ月前に出された永訣の手紙で終止符を打つ……「小生が怖れるのは死ではなくて、死後の家族の名誉です」恐るべき文学者の魂の対話。



「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」の一句があまりに有名な「葉隠」。過激思想の書と誤解されやすいが、その真髄は「死という劇薬」こそが自由や情熱、生きる力を与えるという逆説的な「生の哲学」である――。「葉隠」の処世訓の精髄を読み解きながら、凝縮された三島の思想に触れられる。時を超えて現代人の心に強く訴え続ける名著。「葉隠」現代語訳付。    (以上、新潮社ホームページ解説より)



1970年11月25日、三島由紀夫と楯の会メンバーが陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で人質を取り、憲法改正と自衛隊員の決起を訴えた。そして、三島は森田必勝とともに割腹自決を遂げた。60年代後半、ベトナム反戦、全国学園紛争など反体制運動が高揚した時代、何が彼らを決起に駆り立てたのか?関係者への綿密な取材を基に、事件の全貌を冷静な筆致で描いた傑作。 序章 十年目の遺書 第1章 「最後の一年は熱烈に待つた」 第2章 三島由紀夫と青年群像 第3章 「楯の会」の結成 第4章 邂逅、そして離別 第5章 公然と非公然の谷間 終章 「三島事件」か「楯の会事件」か 補章 三十一年目の「事実」

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